有機農業

品種改良は止まらない

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2016年の夏に北海道農業研究センター、芽室研究拠点で雑草をテーマにお話を聞く機会があり、その中で研究員から今後の農薬についての考察を聞きました。

あくまで、その研究員の個人的な「こうなるのではと」いう推測の話です。

今後、病害虫の防除に関しては、農薬での防除よりも「品種改良での対策が中心になるのではないか」というお話でした。雑草の話がメインであり、そのことについて話を掘り下げることなく帰ってきましたが、気になっていました。

少々古いですが、2014年に書かれたこんな記事がありました。

の中から引用

 

モンサントの新手法 1.望ましい性質を有する植物を特定する。
2.(1)で特定した植物同士を交雑する。
3.交雑の結果できた植物のゲノムを精査し、望ましい性質に固有の遺伝子配列を見つける。
4.特定した遺伝子配列をもつ植物のみを育てる。

 

遺伝子組み換え作物は非効率であり、かつコストが高かった。(略)複数の遺伝子を加えても、その数種類の遺伝子がうまくかけ合わされた性質が実現するとも限らない。

同社の野菜ビジネスが破綻し始める前から、モンサントはただ遺伝子の組み換えによって、作物の生産を改善できないことはわかっていた。(略)「世界で最高の遺伝子も、クソみたいな遺伝資源を修正することはできない」。

では、何であれば修正できるのか? その答えが交雑だ。(略)遺伝子工学を用い、化学物質と害虫への耐性をトウモロコシにつける方法を解明する過程のなかで、モンサントの研究者は植物遺伝子の解読方法や遺伝資源の優劣の見分け方を習得していた。(略)

鍵となるのは、遺伝子マーキングと呼ばれる技術だった。ある性質と密接に結びついている可能性をもつ遺伝子の配列を解明する技術だ。

(略)

それを進めるためのツールもそろっていた。2006年、モンサントはシードチッパーを開発した。(略)

(略)

モンサントのこうした手法を使うと、実際に遺伝的性質のパターンを予測することができ、どの性質がうまく引き継がれるかを知ることができる。それは交雑なき交雑、緻密な計算のうえで行う植物の生殖行為だ。現実の世界では、20種類の異なる性質をひとつの植物に組み込める確率は、2兆分の1だ。自然界ではその過程に1,000年はかかるだろうが、モンサントはそれをたった数年で成し遂げてしまう。

さらに、これらはすべて、遺伝子工学を使わずに実行される(略)。スタークと仲間のメンバーは、こうした技術を使って、期待通りの性質をもち、望んだように成長するであろう交雑種をつくりだせることを理解した。

長い時間のかかっていた交雑による品種改良が、狙った性質を持つ品種が短い時間でできる技術が可能になったことで、当然、味とか美味しさだけではなく病害虫の抵抗性を持つ品種が普及しやすくなり、農薬の市場が小さくなって行くということを前出の研究員は示唆したのでしょうか。

この先、農業はどういう展開をして行くのでしょうか?

病害虫に強い品種がどんどん出てくると、当然慣行農業でも殺菌剤、殺虫剤を中心に農薬の使用が減ると考えられます。
当然、中には、殺虫剤、殺菌剤不使用の農産物を手がける農家も増えるかもしれません。
有機農業と隔てるものは、化学肥料と除草剤になります。

有機農業のシェアも当然増えると考えられます。

ただ、あくまで病害虫に強く、美味しい品種の種子がある程度自由に使えるかどうかにかかっていますが…

犬や猫をはじめ、家畜を中心とする動物、食料を中心とした植物、花のような鑑賞植物、人に関わる全ての生き物に対し、人類は品種改良を行ってきました。

遺伝子解明が進むにつれて、遺伝子組換え技術を使用しなくても、農作物、家畜においてかなりの確率でデザインされたものが誕生しているということは、良いような、悪いような、複雑な感情になります。