DONが.…出ちゃったよ。
集荷業者に出荷した当農場産の小麦の受入れ時の品質の結果を先月末に、教えていただきました。
品名 | 年産 | 容積重 | 蛋白含有率 | フォーリングNo | 簡易DON |
有機栽培キタノカオリ | 2019 | 845 | 11.0 | 217 | 0.5 |
有機栽培きたほなみ | 2019 | 848 | 9.0 | 437 | 0.1 |
有機栽培きたほなみ | 2019 | 849 | 8.8 | 419 | 0.1 |
有機栽培はるきらり | 2019 | 823 | 11.4 | 312 | 2.8 |
以下の表は小麦の品質評価基準です。
2 麦の品質評価基準 | ||||
(1)小麦(日本麺の製造用) 当農場では きたほなみ |
(2)小麦(パン又は中華麺の製造用) 当農場では キタノカオリ、はるきらり |
|||
評価項目 | 基準値 | 許容値 | 基準値 | 許容値 |
たんぱく | 9.7~11.3% 以下 | 8.5~12.5% | 11.5~14.0% | 10.0~15.5% |
灰 分 | 1.60% 以下 | 1.65% 以下 | 1.75% 以下 | 1.80% 以下 |
容 積 重 | 840g/ℓ 以上 | - | 833g/ℓ 以上 | - |
フォーリングナンバー | 300 以上 | 200 以上 | 300 以上 | 200 以上 |
カビ毒DON の暫定基準値は 1.1mg/kg 以下です。
(こちらの厚生労働省の
食品中のデオキシニバレノール(DON)の規格基準の設定について
の中に、
以上のことを考慮すると、小麦(玄麦)に対して規格基準を1.0 mg/kg以下と
することが適切である。
近いうちに1.0 mg/kg以下になるのでしょうか?)
当農場の2019年産有機小麦について
収量は予想を下回りました。(確定したら報告する予定です)
数字的な品質は
有機小麦は3品種とも、蛋白含有率が低いです。(窒素を与えることで蛋白含有率をあげられるのですが、有機栽培では、化学肥料が与えられないので…)
それ以外の項目では
きたほなみ は、有機(オーガニック)栽培に向いているようです。(十勝でも縞萎縮病という病気が広がってきているのが気になるところではありますが…)
仕上がりの時期の曇天が続き心配していましたが、数字的には問題になるところはありません。簡易DONの値も問題ありません。
キタノカオリ は、品質だけを比べると、慣行栽培(化学肥料・農薬使用)と有機(オーガニック)栽培の数字に差が無いように感じます。フォーリングナンバーが低いのは有機栽培に限らず今年産の特徴ですし、穂発芽に弱いのは品種の特性で基本的には農薬や化学肥料を使用したところで回避できません。(欧米のように収穫直前にグリホサート剤などを使用できるようになれば別なのかも知れませんが…(憶測です)…)
簡易DONの値もクリアしています。品質の面では有機栽培に向いているのかも…
秋まき小麦の2品種とも収量がもう少し増えて安定し、品質が落ちなければ続けられそうです。まぁ、書くのは簡単なのですけど…
問題の はるきらり です。
はるきらり の簡易DON検査の結果が、2.8mg/kg と暫定基準値(1.1mg/kg)を超えてました。DONを生成する赤カビ病に比較的強いと聞いていたのでちょっと ショック でした。
容積重も低かったので、当農場の選別の設定が甘かったのかもしれません。ただ、当農場の選別ラインの設定を変えたところで、DONの値が 暫定基準値以下になるのは、難しいかもしれません。(種に取ってある分を 冬の間に再度、設定を変えて選別して見るつもりです…)
クリアするには、もうちょっと、投資が必要ですね。
あとは、集荷業者の選別調整ライン担当にお任せです。
はるきらり 総収量は予想していたよりあったのですが、DONを暫定値以下に選別調整するとなると製品としての収量は大幅に予想を下回りそうです。自分で良い選別をするために投資となると、当農場の規模では過剰投資になりそうです。なんでも自分で作れたら良いのですが…